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日本赤十字社 神奈川県支部

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報告

What's LTC? This is LTC! ~2017年LTCの記録と報告~

本年も小学生・中学生・高校生を対象に、リーダーシップ・トレーニングセンター(Leadership Training center=LTC)を行い、無事に全日程終了しました。その様子を神奈川県青少年赤十字賛助奉仕団が取材しましたので、ご紹介します!

・小学校 7月30日(日)~ 8月1日(火)
・中学校 8月2日(水)~ 8月4日(金)
・高等学校  8月11日(金)~ 8月15日(火)

会場は東京都八王子市の野猿峠にある「八王子セミナーハウス」で、木々に囲まれた自然豊かな研修所です。

写真1
  1. 第1章 解説!LTC!
  2. 第2章 リーダーシップを「学ぶ」?
  3. 第3章 ある日の活動 ~プログラムの紹介~
  4. 第4章 LTC、どうだった? ~参加者の感想~

【第1章】解説!LTC
~ LTCってどんなことをするのだろう?と思っているあなたへ、この行事の内容をご紹介します ~

LTC って何?

LTCとは、参加者が集団生活を営むことの経験を通して、自分の中にあるリーダーシップの能力を伸ばすと共に、青少年赤十字活動のリーダー・メンバーとしての必要な資質を学ぶ場です。学校や地域で活躍するリーダーシップに富んだ青少年(良いリーダー)となり、社会においても役立つ知識や技術を身につけます。また、人々や社会に貢献できる「人」を育てる場でもあります。

LTC での学習・研究の内容

LTCでは小学校、中学校、高校でプログラムなどが違いますが、基本的な内容は同じで、研究と生活の二つの部分に分かれます。青少年赤十字のリーダーとして、「赤十字」と「青少年赤十字」のことを中心に様々な知識や技術を学びます。学ぶ方法は理論と実践を伴ったもので、ゲームや歌を取り入れたりしているので参加者は楽しく学びます。内容の例は次の通りです。

第1章 写真1

  1. 理論研究
    • 赤十字と青少年赤十字の歴史、精神、組織、活動について
    • 話し方、話させ方、会議の進め方について
    • ボランタリー・サービスについて 等
  2. 技術研究
    • 健康安全プログラム・救急法
    • 会議の進め方
    • 旗の取り扱い
    • レクレーションの理論と実践 等
  3. 相互研究
    • グループワーク
    • フィールドワーク
    • 国際理解プログラム 等
  4. 個人研究
    • ワークショップ(プロジェクトの企画・立案・実行の方法)
    • 静想
    • ボランタリーサービス 等
第1章 写真2第1章 写真3

LTC での学習活動

赤十字のこと・青少年赤十字のこと
赤十字の国際標語は「Our World. Your Move. ~人間を救うのは、人間だ~」です。赤十字はその誕生以来、たった一つのこと、"人の命を大切にすること"を大事に守り実践してきました。
これを赤十字では「人道」といいます。
LTCでは、"人の命を大切にすること=人道"の重要性をもう一度考えて、そこから赤十字の諸原則を初めとして赤十字のこと、青少年赤十字のことを学びます。

第1章 写真4

「ボランタリーサービス」Voluntary Service

「誰にも命令しない、命令されない」ことの訓練の時間として「ボランタリーサービス」の時間があります。
LTCの中でどんな生活上の必要があるかを考え、自分で発見して、自分で進んでそれを成し遂げます。
「ボランタリーサービス」とは、自分と他人が共に生きる方法であり、単なる自己犠牲や他人を憐れむことではなく、相手の立場に立って、相手の身になってその気持ちを理解し、自分の力に応じて出来る限りこれに応えていこうという個性の開発を伴った行動です。この精神はLTCの生活全体の中で求められます。会議を行うときの司会者や書記を決めるときも自発的に「自分がやります」と言うようにします。

第1章 写真5第1章 写真6

自由時間(フリータイム)

LTCでの「自由時間」は、何もしなくて良い時間ではなく、自ら何かを選んでする時間と設定されています。つまり、自分で決めた「ボランタリーサービス」の実践の場にもなります。

第1章 写真6

LTCは、参加者が主体となって、自主的にいきいきと活動できる人になるためにどうしたらよいかを学ぶ場です。「いつもと違う環境」に自分をおいて、成長して行きます。それぞれの校種で、プログラムは盛りだくさん!休憩時間も、ただのんびり過ごしていられません。けれどもその中で、気づく力はぐんぐん伸びて行きます。

【第2章】リーダーシップを「学ぶ」?

「良いリーダー」としての態度の勉強

「気づき、考え、実行する」(「ボランティアとは何か?」を学ぶ)
「ボランティア」とは「自分の意思で活動する」ということが基本的な意味です。LTCでの生活の場は、初めは「食」「住」以外は参加者が不便に感ずるほど用意されていません。
参加者は「不便さに気づいた」時、「自分が不便なのだから他の人もそう感じているだろうな」と思い、「どのように解決したらよいか」考えます。そして必要に応じて仲間を集めて問題解決のために「実行する」のです。

第2章 写真1

例えば、食事の場でもなるべく多くの人と隣り合わせて食事ができるよう、座席はくじで決めていました。また、能率よくきれいに片付けができるよう備え付けのものとは別のテーブルふきが用意されていました。いずれも、ボランティアとして働く食事係の発案です。
ある日の昼食の献立は、サラダにスープ、メインは「サバの塩焼き」と「かつ丼」の選択で、デザートが付く豪華版です。メインディッシュは意外にも半分以上の生徒がサバを選んでいました。殆ど食べていない生徒に対して特に指導をすることがないのも学校行事と違うところです。自分の行動について気づくことをスタッフが待っているのです。

「なすことをもって学ぶ」Learning by Doing

LTCでは限られた講義の時間だけが学習時間ではありません。
自分から進んで生活のあらゆる場面で「なすことをもって学ぶ(実行することを通じて学ぶ)」ことが参加者に求められます。
「実行」を通じて、青少年赤十字の基本的なあり方やリーダーシップのあり方を「自ら考えて整理する」ことが求められます。

第2章 写真2

「命令しない、命令されない」=「良いリーダー(指導者)は良いフォロワー(協力者)」
LTCでの生活全体を通して参加者に求められるのは、「誰にも命令しない、命令されない」こと、すなわち「自らの意思で行動する」ことです。1日目にLTCの会場で渡される「参加者ノート」には「日程表」がありますが、そこには1日目の予定しか書いてありません。また、LTCでは一切ベルもチャイムも鳴りません。

第2章 写真3

指導者や研修の手伝いをするボランティア(LTCを経験した青少年赤十字の卒業生たち)も一切命令をしません。当然、参加者も「命令しない」し「命令され」ません。
常に「自分は次に何を、どうすればよいか」を考えます。

第2章 写真4

2日目以降の日程を初めとして、参加者がお互いに伝える方法は「掲示板」です。「本部から皆さんへ」と「皆さんから皆さんへ」という二つの「掲示板」があって、指導者を含む参加者全員が朝一番に「掲示板」を見ます。常に「掲示板」に注意して自分の行動を決めていきます。力を合わせて活動するとき参加者は、時には「リーダー(指導者)」になり、時には「フォロワー(協力者)」になります。「良いリーダーは良いフォロワー」になります。

掲示板を巡って

(小学校の掲示板)
「資料机について皆さんが見やすいように配置をかえました」
「今日の夕べの集いの時に"エネルギータイムレース"をします。集いの丘に集まりましょう」
「地雷の恐怖を教えるポスターが貼られました。皆さん是非見ましょう」
「5分前行動が出来ていないので、前に時計をつけたので確認しましょう」

(中学校の掲示板)
掲示板のメモを読んでいたところ、伝達メモがどんどん増えて、いよいよ貼る余地がなくなってきました。その状況に参加者がどうするか見てみましょう。
「どこに貼ったらいいかな?」
「重ねてもいいと思う?」
「書いた人の了解を得て、古いメモからはずすのはどうか?」の案が出て、あちこちで了解をとる声が聞こえてきました。掲示板を大きくするという発想は出てこないのかな?と思いながら見ていると、元の四倍はありそうな掲示板が登場。何枚も貼り合わされたポスターを裏返しました。それが掲示板でした。先の、食堂の座席のくじ引きや片付けの提案がはがされなくて良かった。

(高等学校の掲示板)
自分一人の考えを皆と共有するためにグループで自分達のできることを考え、実践していました。掲示板を見やすくする工夫をする、ごみ箱の分別を表示する、出入り口の扉の表示をわかりやすくする、作業テーブルに紙のクロスをかける、今後行う歌の指導の練習をする、クイズの問題を検討する、等々、皆が生き生きと明るい表情で作業していました。

第2章 写真5第2章 写真6

見てください、上の写真!最初は左のサイズでなんだか寂しく、小さかった掲示板が、4日後には右のサイズまで大きく成長し、カラフルになっています。
これはただ大きく作るのではありません。
ボランタリーサービスの精神で、「自分にとって使いにくいものはきっと皆困っているはず。では、どうしよう?」という考えから、右の写真のような掲示になるまで、5回以上リニューアルを重ねた試行錯誤の賜物です。
より皆が見やすく、わかりやすい掲示を行うにはどうしたらいいんだろう?
不便に「気づき」、解決策を「考え」、作ってみて「実行する」。
この繰り返しで、身の回りはどんどん良いものに変わって行きます。この経験から、普段の生活や学びの中でも、主体的に考え、自ら行動する人になって欲しい。そんな思いで、LTCは多くの方のご協力を得て開催されています。

【第3章】ある日の活動 ~プログラムの紹介~

学習風景

小学校LTCの例:「世界の国について知ろう」
世界の国の献立を通じて、国ごとの違いを学びます。食べ物の違いを通して国による違いを意識します。まず、自分たちが食べている日本の食事についてどんなものを食べているか話します。最近食べたもの、伝統的な料理など自分が知っている料理について話します。
次に、5つのグループに分かれて、絵本「世界の食事」を2冊ずつ選び、それを参考にして各国の朝・昼・夕飯の献立を考えて模造紙に絵を書きます。献立には各国の挨拶を添えてそれを皆の前で発表します。発表を聞いて他の国の献立と比べて気づいたことをまとめて発表しました。

第3章 写真1

「健康安全プログラム」:健康について考える

個人の防災意識を高め、自然災害に対処できるようにするために、自分の命を大切にするとともに事故を防ぎ、健康で安全な生活を心がけられるようにします。そして万一急病やけがが起きた時に適切な救急手当や応急手当ができるように基礎的なことを学びます。
小学校LTCでは、まず「健康であるためにはどのようにしたらよいか」を話し合いました。参加者からは「体を動かす」「早寝・早起き、食事をきちんとする」「睡眠を十分にとる」「休息も大事」等の意見が出されました。
次に、「自分の健康状態を知る」ために、「顔色」「呼吸数」「脈」「体温」などを知ること、その一例として脈を測りました。よく親指だけで測りますが、それでは正確には測れないこと、人差し指、中指、薬指の3本を揃えて測ることの大切さを教わりました。
その他、呼吸停止、心停止、大出血などの「すぐに手当てをしなければならない場合」や、出血、細菌感染、痛みなどの「傷の危険性」を学んだあとで、実習に入りました。

実習(三角巾の使い方・心肺蘇生・AEDの使い方)

実習は、三角巾を使って「けがの手当て・止血」を学びました。実際には肘、膝、額が出血したという想定で手当てをしました。
次に「心肺蘇生」と「AEDの使い方」を学びました。小学生には体力的にきついものですが、体全体を使って胸骨圧迫と人工呼吸をしました。

第3章 写真2

自分の身を守るだけでなく、自分以外の誰かが苦しんでいることに「気づき」、なにができるか「考え」、手を差し伸べ「実行する」人になってほしい。
青少年赤十字の行動目標に則した「健康安全プログラム」の研究は、校種によってさまざまな内容を学びます。
中学校LTCでは、担架を用いた傷病者の搬送についても学びました。

第3章 写真3

高校LTCでは、救急法の講義の後に野外へ出て、現実に即した救急法の訓練を行いました。

第3章 写真4第3章 写真5

この他にも、初対面の皆さんがが力を合わせて一つのゲームに取り組んで打ち解けあうプログラムもありました。

第3章 写真6

また、LTCでの学びを実践することを目的としたフィールドワークのなかでは、30分以上前に見たイラストを記憶だけでどこまで再現できるか?というチェックポイントもあります。一見するとゲームのようですが、全員の記憶を頼りに情報を共有し、きちんと話し合うと、自分に見えていないものも見えてくる、コミュニケーションをとる大切さと面白さが学べる機会になっています。
仲間同士で記憶を共有していると「えっ!そんなの書いてあった?」「僕は覚えているけどこんな感じだった」と、どんどんイメージが鮮明になります。かと思えば「ここのマークは赤十字じゃなくてハートだった。そうだよね?」など、お互いに意見を出し合い、他人任せにせずに取り組む姿に、ほんの3日間でも大きな成長を感じました。

第3章 写真7

研究やボランタリー・サービスでも声を掛け合い、助け合い、時には共同して、より良い成果を得られるように活動します。
いつもと違う環境・生活・周囲の人とのかかわりの中で、参加者の皆さんには、自ら気づき、考え、実行するという変化が見受けられました。

第3章 写真8第3章 写真9

【第4章】LTC、どうだった? ~参加者の感想~

参加者のことば

参加者の中には既に学校でリーダーとして活躍している人もいますが、どちらかというと力を出し切れていない人もいます。LTCは、それぞれの力を引き出して伸ばす場でもあります。参加者の言葉を紹介します。この中にLTCの意味があり、人づくりのねらいが表れています。

(小学生)
Aさん(6年女子)
「将来、国連で働きたいという希望を持っている。世界のことを知りたいと思っていた。タウン誌でLTCのことを知って参加した。色々なことを楽しく学んでいる。」
Bさん(6年女子)
「リーダーシップを身に付けて、自らの意思でその場にふさわしい行動を取れるような人になりたい。」
Cさん(5年男子)
「救護の方法を母も学びたいと言っているが、ここで学んだことを母だけでなく友人たちにも伝えたいと思う。また、赤十字のことも伝えたい。」

第4章 写真1第4章 写真2

(高校生)
Aさん(1年男子)
「夏休みにボランティアの経験をすることになって、この研修に参加した。2日目には慣れてきたので楽しい。自分の意見をもっと出していきたい。このLTCをもとに将来の役に立てていきたい」
Bさん(1年女子)
「これまで、いろいろなボランティアに参加してきた。知らない人と話したり、自分で考えて行動したりすることが楽しい」

第4章 写真3第4章 写真4

ボランティアスタッフのことば

LTCでは、JRCのOB・OGであり、LTCの経験者でもあるボランティアスタッフが生活面と学習面の全般について参加者を援助します。
参加者は身近なお姉さん、お兄さんに様々な相談をします。

第4章 写真5

Aさん(大学2年)
「元々国際協力に興味を持っていて海外で働きたいと思ってきた。高校生の時に学校のJRCに参加し、2年生でLTCに参加した。8月から1年間留学するが、現地でもボランティア活動をしたいと思っている。」
Bさん(看護学生)
「人の役に立ちたいと思い、看護師を目指している。中学生以前は人見知りが激しくて他人と話すのが苦手だったが、高校でJRCに入り、LTCに参加するなどの活動を通して積極的になった。自分の経験を後輩たちに伝えたい。」
Cさん(大学4年)
「国際活動に興味を持っていて、高校生の時にJRCに入り、2年に一度21カ国の高校生が交流をする活動などにも参加し、大学でも国際関係の勉強をしている。旅行会社に就職が決まったが、そこでもJRCで学んだボランティア精神などを活かして仕事をしたい。」
Dさん(大学3年)
「小中学生の頃はおとなしくて発言もしない子どもだったが、高校生のときにLTCに参加したことで自分が変わった。少しでも役に立てればと思い、ボランティアとして参加している。」

第4章 写真6第4章 写真6

おわりに

LTCでは、この他に様々なプログラムが用意されています。全てのプログラムが学習内容として組み入れられていて「活動しながら学ぶ」ということが全体を流れていました。参加者は仲間づくりをしながら笑いの絶えない楽しい学習(トレーニング)をしていました。

第4章 写真7

神奈川県青少年赤十字賛助奉仕団 記

LTCに興味があるかた、次は来年の夏の開催が、小学校・中学校・高等学校すべてで決定しています。
沢山の方の参加をお待ちしています。
また、この記事を読んで赤十字に興味がわいた高校生の皆さん!
同じ高校生のメンバーが作っている、神奈川県青少年赤十字連絡協議会の第二回定例会が10/29に開催されます。
神奈川県支部で行いますので、ぜひお友達もさそって遊びに来てください。

この夏のリーダーシップ・トレーニングセンターことLTCを賛助奉仕団の皆さんが取材してくださいました。

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